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暫くすると鼓動が弱くなってきた。このままじゃいけないと思い刀に問いかける。
「ねえ…?もっと血が必要なの?」
傍から見れば刀に話しかけるおかしな少女。でも自分がおかしいとか正気じゃないとか全然思わない。
刀もそれに答えるようにドクンドクンと力強く鼓動を繰り返す。
「そう…。じゃあ私の血を満足するまで飲んでいいから元気になってね?」
刀に元気になってね?、なんてどうかしてると思われるかな?でもこれが一番いい言い方だと私は思う。
血をあげる為に手を近づける。さっきみたいに刀が私に傷を付け血を垂らす。痛みはそれなりにあるけど我慢。
だってこの先を見てみたいじゃない?
また力強く鼓動をし始める刀。
私は血を垂らしながらうっとりと刀を眺める。
「きれいな色…」
不意に口から出てきた言葉。
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