三階の非常階段

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学校の三階の非常階段。 霊感があり気持ち悪がられ、 友達の居なかった私は いつもそこに座って本を読んで時間を潰していた。 そんな四年生の秋。 いつものように、そこで本を読んでいた。 「おめ、つっまんなそうな顔しちょるな」 いきなり、大きな声が背中に降りかかってきた。 幼稚園の頃見ていたアニメの脇役の声を、瞬時に思い出した。 びっくりして振り替えると、 私と同じ制服を着た女の子が立っていた。 ぱつんと切られた綺麗な黒髪は 無造作に縛られていて、少し勿体ない気がした。 端整で、鼻筋の通った綺麗な顔をしていて しばらくの間私は動けずにいた。
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