第2章 雨

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そうは思ったが、実際この話題は僕も興味がある。 もちろん妹が変な男に引っ掛かっていようが、そんなことは関係ない。 お嬢様計画のためだ。 「い……いないよ」 しばらく沈黙という名の気まずさが、僕ら3人の間に舞い降りた。 ――いないとは思わなかった 兄としての本音だ。 シスコンや身内贔屓ではないが、妹は可愛い部類に入ると思う。 「何がダメなんだ…」 「は?」 思わず呟いた言葉を、耳へ拾い上げたのは充だった。 「いや、何でも」 僕はため息を吐いた。
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