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「なぁ真美子~…いいだろ?」
お父さんは私がいることをなかったことのようにしてお母さんの胸に手を当てた。
「昼間っからなによ~」
前より化粧が濃くなったお母さんはお父さんの首に両手を回した。
「なんだ、お前もやりてぇんじゃねぇか。」
私は走ってトイレにこもった。
今から何が始まるかわかったからだ。
まだ蝉がうるさい真夏のお昼。
小さなアパートの小さなこの部屋にはお昼のテレビ番組の音、二人の嫌な声がこもり私は暑さを我慢してずっとトイレの中にいた。
誰も気づかないSOS。
神様?
隣人?
先生?
ううん、誰かわからない。誰かはわからないけど私は必死にトイレでSOSをだした。
「タスケテクダサイ。イイコデイルカラ。」
と、聞こえるはずのない小さな声で。
、
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