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中学一年生になったとき二人が無言で酒を飲みながらテレビを見る。
私は隣の部屋で宿題をしていた。
ーピーンポーン
インターホンが鳴る。
二人は居留守を使おうとしたがそのインターホンはしつこく鳴り続ける。
「おい優美!でろ」
私は黙って玄関に向かった。
「村上さんのお宅ですね?警察のものですが…ご両親は?」
「…な、中に………」
私はなにがなんだかわからなかった。
「失礼」
警察の人たちは私を壁側に寄せると勝手に居間の方へ入っていった。
「村上裕二、村上真美子、二人に詐欺容疑で逮捕状がでている」
警察は白い紙を二人に見せた。
私は玄関に立ったまま二人の様子を眺めた。
「そ、そんな!私たちはそんなことしてないわ!」
「話は署で聞く。」
あっという間だった。
警察が二人を連れて行く。
「お母さん!」
私の声にお母さんは振り向きもしなかった。
「今身内の人が迎えにくるから待ってられるわね?」
スーツをきた女の人が私に話しかけてくる。
「はい」
、
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