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昔々あるところに、散歩をしている幼い子供がおりました。子供の手を握るのは、お父さんです。
子供がふ、と立ち止まるのでお父さんが振り返ると、子供は一点をじぃとみておりました。視線を辿ると、そこでは結婚式が行われていました。
「ととさま、あれはなんですか??」
子供は視線を逸らさずお父さんに問い掛けましたので、お父さんは答えました。
「あれは、好きな人と一緒になるための儀式だよ」と。
子供は長い髪を揺らしながら振り返り、お父さんの目を見ました。
「あのひとたちは、しあわせになれないんですね」
お父さんは子供の頭を撫でただけでした。
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