プロローグ

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   うんざり。  どんな長い言葉より、この言葉が1番しっくりくると思う。  パズルにピースが嵌るようなこの単語の意味が身体に絡みつくのを、酷く不愉快に感じていた。  溜息を我慢して空を見上げる。  何で空はこんなに青くって。  頬を撫でる風は、春めいてとっても気持ちいいのに……。  冒頭の胡散臭い科白に重ねた日本語をこうもつらつらと聞かなければならないのか。  うーん、言語の意味的には理解出来るんだけど、感情的な面でわかりたくない。  もう、私。  今だけ日本語が理解不能の外国人になりたいな。  無理なことは重々承知しながら、思考回路だけは遠くへと旅立とうとしていた。 *
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