プロローグ

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   出来れば平凡で平和で波風が立たない人生を送りたいって思っている。  幸福にも周りには普通の友達、一般的な家庭に生まれついた私は。  普通のレベルの普通の高校を出て、昔から大好きだったこの動物園にチケット売りのバイトを経て、就職することが出来た。  就職って言っても、さびれかけた動物園だし、動物の食費やらなんやらで維持費が掛かっているから決して給料はよくないし、ボーナスだって雀の涙だ。  それでも、小さな動物の世話をするのは最高に楽しいし、何とか1人暮らしでも贅沢をしなければ仕事を掛け持ちしなくても暮らしていける。  だから、平凡でも楽しい人生を送っていたんだ。  そう、この男に目を付けられるまでは……。 *
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