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「………ん…」 カーテンの隙間から射し込む光。 なんだ、もう朝か…。 ベッドの隣のサイドテーブルに置いてある眼鏡を手にとる。 ゆっくり体を起こして、眼鏡の隣に置いてあった腕時計をとり、時刻を確認する。 ほほう、ずいぶん外が明るくみえた訳だ。 11時を過ぎていた。 寝間着として使っている浴衣のままで、自室を出る。 喉、乾いたな… そろそろお昼だし 途中、洗面所で顔を洗いキッチンへ向かう。 キッチンの扉を開けようとした瞬間、扉の向こうから声がした。 「……り……ったな……」 「…った…………さん…」 それは聞き覚えのある男性の声と、見知らぬ幼い声だった。お客さんかな? 全く喜梨さんったら、お客さんはキッチンじゃなくて客間に通せよ。 飲み物が取りに行きづらいじゃないか。 「……い……ってきます…」 「…ぁ、…に………」 着替えて来よう。 寝間着のままじゃお客さんに失礼だし。
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