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母と父の関係に気が付くまでは、そう時間はかからなかった
いつも晩御飯の後に父親は、ここの家ではない『家』に帰っていく
たまに、泊まっていく日もあった
ある日、家の電話が鳴りボクが取ると
『もしもし??ボク?お家に、ヒロシって言うオジチャンってよく来る?』
奥さんからの電話だった
一瞬で、ボクは気付いた
と、その瞬間に今まで感じた事のない恐怖心に襲われた
父親がいなくなるであろう恐怖心
もう、この家に来れなくなり会えなくなるような恐怖心に
ボクは、何も言わず電話を切った
25年たった今でも、ハッキリと覚えている
その日から、心の奥のどこかでは父親を軽蔑する自分がいたような気がした
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