Phase 4 +想起+

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 声を聞いても嫌な違和感は消えず、むしろ増していくばかりで普段からは考えられないほどしつこく食いつく陸斗。今ここで離れたら、ずっと会えないんじゃないか?そんな根拠のない恐怖にも似た感覚が拭いきれずに改札を通ろうとするが、カードのチャージ金額が足りずにゲートが閉じられる。エラー音が聞こえたのだろう、スピーカーごしに晴香がため息をつく。  〈大丈夫だよ。すぐ追いつくから〉  「……わかった。学校で待ってる」  〈うん……それじゃ〉  そういって切られた電話をジッと見つめながら元いた壁に張り付く、そして溜まっていた嫌な空気をいっきに吐き出す。  依存しているつもりはないが実際に急に居なくなられると居心地が悪い、赤ん坊が母親がいなくなると泣き出す原理と同じだ。そう考えると何だか急に恥ずかしくなり、苦笑いを浮かべながら陸斗は身体を壁から引き剥がした。別に急ぐような用事もないし、寄り道しながらいけば学校に着いたくらいに合流できるだろう。気楽に気楽に、と思考を持っていく努力をしながら陸斗は駅前のターミナルに出た。そして──  「レギオン!?」  火花を散らしながら接近してくる人間の三倍ほどの巨人とすれ違った。そしてその巨人はあろうことか今しがた陸斗がくぐったアーチに突っ込んだ。  型番F-15、通称"イーグル"であるソレはアーチにぶつかり停止した。一瞬の間をおいて動き出すオリーブに赤丸のイーグル、戦闘型レギオン中でもっとも生存率の高いとされるそれは周囲を見渡すように、武骨な頭部のモノアイを動かし空を見上げた状態で動きを止めた。  それにつられて上空を見ると軍の標準戦闘型レギオンSu-27"フランカー"が降ってきた。数は三、マシンガンと電磁警棒を構えてイーグルの進路を塞ぐような配置をとる。最近の情勢からしてまた反体制テロとその鎮圧だろうが、よりによってこんなところで始まるとは誰が予想しようか。少なくとも陸斗にとっては不測の事態であり、ちょうど両者にはさまれるような位置にあってしまったため逃げ出すこともできなかった。
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