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Phase 1 +出撃+
「十二時、三時、八時の方向に敵勢力を……ゴメン、囲まれてる」
友軍機を取り囲むように現れた敵機を衛星カメラからの映像で捉える。キングス・クロス駅周辺で始まった戦闘、帰宅ラッシュで賑わうはずのそこは銃声と悲鳴であふれている。反体制組織によるテロが起きてから二十分が経過している。
人型戦闘機"REGION"、全長五メートル程の猫背の人型が手にした武器を一斉に中心へと向ける。その先には背中合わせに身構える同種の巨人、武器といえるほどの物も無く状況は明らかに不利に見えた。
〈リクト!話が違うじゃない!〉
〈まったく、市警の人たちは何をしていたのかしら〉
〈そんな事を言ってる場合か!〉
無線で送られてくる非難、管制車両内でモニターを見つめていた青年は苦笑しながら鍵盤を叩き始める。目にも留まらぬ速さで流れていくコードに唖然とした隣の管制官の手が止まる。青年は気に留めずに入力を済まし各機にそれを転送すると静かにインカムを手にした。
「クレア」〈遅い!〉
「アリシア」〈はい〉
「ゲン」〈応!〉
仲間の元気な返事にほっとする、が現実はそうも言っていられない状況。今まで首にかけていたヘッドホンを装着し、怒られない程度の声量で叫ぶ。
「バルチャー隊、エンゲージ!!」
〈〈了解!〉〉
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