プロローグ 2010年 夏 ~風と白球とあいつ~

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その時、一瞬風が吹いた。 スタンドから、 「帰ってきたよ。 あいつが・・・・・・帰ってきたんだよ。」 オレにもわかった。 心地よくて、どこか懐かしい雰囲気のする風にあいつがいることを。 「おせぇんだよ。」 オレはそんなことを言いながらバッターボックスに入る。 マウンドから白球が放たれた―。 オレは思いっきりバットを振り白球はどんどん晴れた空へと向かっていく。
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