時の川 夢の湖 愛の海

夢も愛も理想も手のひらに掴んでも
夜闇にサラサラと溶けていく
いつだって僕は失くした言葉を探してしまうこと
涙のあとの人の気持ちを知ったその時に気が付くんだ

目先の欲望に信念もからめ取られてしまった
昨日見つめた日々が遠くであざ笑う
数ミリ手前で止められたナイフは
目の前に突き付けられた現実そのもの
何度繰り返すの？

…何度だって繰り返す

何よりも深い海に誰もが沈みゆく
隠したい気持ちほどさらけ出したい気持ちなんだよ
だけど
それを見透かされたその時に
涙を流して受け入れられるほど強くはない
目をそらした先にいる君は一体誰？

日々に賽を投げ込んでもう随分泳いできた
時の流れに放り込まれてから
ずっと変わらぬ速さで
今までの過去も全て未来だったんだと
未来を想ったその時に気が付くんだ

幾度となく願った未来は
「まるで話が違う」
そんなことだらけの毎日の中で知らなきゃいけないことは

…こんなことじゃない

何よりも広い湖を誰もが潜っていく
息を吸ったら最後
溺れ やがて浮かびゆくだろう
だけど
それに気付いたその時に
涙を流して諦められるほど強くはない
目をそらした先にいる君は…一体誰？

何よりも広い湖を見つけるために
何よりも深い海を見つけるために
何よりも長い川を誰もが泳いでいる

目をそらした先にいた僕はもういない