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少年は目を覚ました。
世界は相変わらず白く果てしない。
「ここは……空の上なのかな……」
しかし白いものはまだやむことを知らない。体は寒さに反応し小刻みに震える。それはまだ生きていることを少年に伝えていた。
「なんで……」
なぜ生きているのだろうという疑問が少年の頭の中を巡る。
辺りを見回すが、ただ白い静寂の世界が広がっていた。
ふと隣に目を向ける。
その先もまた変わりなどなかった。
少女が一人立っている以外は。
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