序章:出会い

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「……」 少女は喋らずただこちらを見つめている。 少年も喋れない。 いきなりのことに頭がついていかないようだ。 少女の恰好は見るからにおかしかった。 着ているものは少年と余り変わらない上に靴をはいていなかった。 しかし体は健康な色をして、震えてもいない。 「寒くないの?」 「……」 「君は誰?」 「……」 「僕を助けてくれたの?」 こくりと頷く。 最後の質問だけ答えてくれた。
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