序章:出会い

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少女が横にいる間まるで昔の白いものがない緑の草原にいるようだと思った。 少女は少年の顔に元気が戻ったことを確認し口を閉じた。 「ありがとう、助かったよ」 「……」 おそらく少女は喋れないのだろう。 「君はこれからどうするの?」 「……」 「僕は村を追い出されて帰る場所も目的地も無いんだ」 「……」 喋れない相手に聞いても意味がない。少年はため息をついた。 はく息までも白く染まっている。 この世界はまるで色を失っているようだ。
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