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魔術師の生涯は実に質素で責任が重い。
魔術師の家系に伝わる魔術回路、それは魔術師の家系が子々孫々まで受け継がれていく成果の結晶とも言える魔術師にとっては命よりも大切な宝だ。
生徒の中にも、魔術師としての責任を背負って、日々新たな魔術を会得する為に血の滲む努力をする生徒もいる。
勿論、家名を上げる為に禁忌に手を出そうとする者も少なくない……が。
「……結果はわかっている。禁術の代償は大きい、自分の命を捨てる覚悟がなきゃ踏み込めない次元だ」
魔術に関しては、誰でも得手不得手が存在する。
火の魔術、呪いや結界の魔術、誰もが自分の特性を持つ中、澪都も特性を持っている。
魔術協会から与えられた称号は《アークナリウッド》
向こうの意味で《禁術を極めし者》と称され、その成果も残している。
禁術を極めし者と言っても何種類もの禁術が使えるわけでもないんだが……澪都の特性は物質の構造を把握して投影する事、得られた資料から創造して生成する事の二つ。
存在するオリジナルを複製する投影よりも、完全な無から創造する生成魔術の方が難易度も高く、成功する確率も投影に比べて極端に低い。
他の魔術に関しては素人同然なのだが、魔術協会が認めた理由は澪都のこれまでの生い立ちも含まれる。
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