11人が本棚に入れています
本棚に追加
魔術協会と深い間柄にあった澪都の祖父の孫であり、アサシンとしての実績、数々の禁術を使った。
加えて、神話に登場する神具や宝具の生成、投影。魔術師としてはこれ以上ない経験を持ち、過去の禁術の成功率。
以下のデータの結果、澪都に禁術を極めし者の称号を魔術協会は与えたのだ。
「こんな称号を貰っても、助けたい人を助けられないんじゃ意味がないのにな……」
懐かしい香りの漂う理事長室、大量の書類の隙間を利用して、机に突っ伏す澪都の姿を銀色の竜騎士が蔑むような瞳で澪都の事を見ていた。
「またサボりですか? 魔術協会公認の魔術師がやる気のない姿を見せていると、他の生徒の士気に影響するんですよ」
「わかってますよ。生徒の前では理事長らしい姿で立ちますけど、リフィの前くらい少し気を抜いても良いだろ?」
現時点で知っている生徒や教師がいないのも事実、素の自分を見せられる人が傍にいるだけでも気持ちとしては、かなり楽になる。
「そ、それは私に心を許していると言う事ですか?」
「そう言う事になるな」
俯いて指先をクルクルさせているリフィ。
29にもなって、女の気持ちは理解出来ないと改めて確認出来た。
最初のコメントを投稿しよう!