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『―――アイギス―――』
常人ならば、爆発に巻き込まれて重体になるほどの怪我をするはずだが、火の海から現れた澪都には傷一つなかった。
アイギスの盾
ギリシャ神話で女神アテナが父、主神ゼウスから譲り受けた盾。
その効力を薄い膜にして全身を包み、爆発から身を守ったのだ。
「ちっ!?」
「それにしても、随分な挨拶だな」
周りの生徒がこちらに視線を集めている。
目立つ事は控えたいのだが、こうも堂々と命を狙われたんじゃ、こちらとしても動かないわけにはいかないな。
「場所は……屋上か」
魔力を全身に送り込み、劇的な身体能力の向上。
校舎に向かい疾走、その勢いのまま校舎に足を掛けると一気に屋上へ跳躍。
「っ!?」
こちらが敵の姿を確認する前に無数の矢が接近していた。
「―――生成開始」
全ての始まりを告げる自己呪文。
掲げた右手に握られているのは真紅の長刀
「斬っ!!!!!」
……失っていたはずなのに。
呪われた妖刀、呪われた運命。
それが再び、魔術師の名の元で繰り返される。
「魔術協会・アークナリウッド・天瀬 澪都、行くぜぇ!!!!!」
「来なさい。呪いの因果を持つ者よ」
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