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「すぅ……………ふぅ~」
校門を通る前に大きく深呼吸をした。いくつもの思い出が走馬灯のように頭の中に浮かんでくる。
再び足を踏み入れる。
「―――っ」
別次元のような感覚。
五感がピリピリと反応する。
どこからか風に流れてくる魔力に不思議と視線が泳ぐ。すぐ近くを歩いている生徒や校舎の中からこちらを見つめている生徒からも魔力を感じた。
「今年の学校はエリートが多いみたいだな」
一人呟く言葉に誰も答えてくれない。本当に俺は戻って来ても良かったのだろうか?
どこからか穏やかな音楽が聴こえてくる。
楽しみ、喜び……そして悲しみのメロディ。
その場に立ち止まる。
天地をひっくり返す事が出来る力を持ち、全てを救う事が出来る力を持つ。それがどれほど恐ろしい事か……。
「この力さえなかったら俺は……」
憎いとも感じた。
でも、使い方を間違えなければ……同じ過去の過ちを繰り返さなければ何千、何万もの人を助ける事が出来る。
使う力はただ一つ。
救う力はただ一つの詠唱。
たった一つの自己呪文。
『DEUS_EX_MACHINA.』
―――主は閉じた世界の神の如く―――
『By_The_Holy_Rood…』
―――魔女狩りは炎と共に―――
『Welcome_to_Tomorrow.Beast_Body,Human_Heart.』
―――終わりの夜に終止符を打つ―――
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