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(うっわぁ…)
胸の冷たい感触。
気付くと、白いシャツは派手な赤色に染まっていた。
(これどーしよ…)
考えている間にもインクはどんどん滲んで、シャツ広範囲へと広がっていく。
慌ててティッシュを当てる。
ティッシュはすぐに赤く染まり、指に少しインクが付いた。
追加でティッシュを取ると左手で胸に当てて押さえる。
またティッシュを取り、胸ポケットからインク漏れの元凶であるペンを包み込みながら恐る恐る取り出した。
何とかインクの侵攻を止められたが、ティッシュをシャツから離すと鮮やかな赤。
(心臓を撃ち抜かれたみたい。)
深紅に染まった胸を見て、そう思った。
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