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インクが広がることは無くなったが、ある一定を過ぎると赤いシミはいくらティッシュで拭いても薄まらなくなった。
無理に消そうと力任せに擦ると、かすれた赤が広がる。
(流石にこれはダメだ。)
益々、悲惨になってしまったシャツを見て気づく。
(洗うか…)
椅子から腰を浮かせて、辺りを見渡す。
他の人はほとんど出払っていて、目に入るのは中年男性教諭ばかり。
これの処置をできるような女の人は部屋にはいないみたいだ。
(自分で適当に洗うしかないかぁ…)
午後にもまだ授業はあるし、こんなみっともない格好で授業する訳にはいかない。
とりあえず部屋を出て、シャツを洗うために洗面台のあるトイレへ向かった。
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