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ここは、楽園?
白くてふわふわ…気持ちいい。
「千冬!!いつまで寝てるの!!」
「…お母さん?今何時‥?」
ゆっくりと体を伸ばす。
全身の筋肉が目覚める。
「もう8時よ!!」
「は!?なんで、起こしてくれなかったの~!!」
急いで準備をする。
「あんた今日から新学期だから、自分で起きるって言ったじゃないの‥。」
「もー絶対遅刻じゃん…。」
9月1日
今日もあたしは落ちこぼれ。
「ぎゃはは!!また遅刻とかどんだけだよ!!」
「…ハァ、あたしほんとダメだなぁ……。」
「今さら!?みんな知ってるっつーの!!」
目の前で爆笑するのはあたしの唯一の友だち。
(マトモに友だちと呼べるって意味ね。)
ギャルでちょっと不良の
"希美"
「ちょっと希美、笑いすぎだよ?可愛そうでしょ。」
「あ?ごめんごめん!!」
「‥‥別に。」
今のは希美の親友であたしの敵。
"莉奈"
このクラスの女子のリーダー格。
「なにその目?莉奈が助けたのに‥。」
「あ、ごめんね。」
苦笑いしてとりあえず流した。
「また遅刻かよ~!」
ビクリと肩が跳ねる。
「いや、余裕でセーフね♪」
一瞬あたしのことかと思っちゃった‥。
男子は苦手。
「あ、千冬!おはよー。」
「比良くん‥。お、おはよ。」
比良くんは遅刻魔。
あたしと一緒で朝が苦手らしい。
でも比良くんは人気者で、明るいムードメーカー。
「今日は俺の方が遅かったか~。」
「‥‥‥。」
あたしは、何を喋ったらいいかわからなくていつも無言。
せっかく喋ってくれても、結局はダメなまま。
気づけば、比良くんも隣の席からいなくなっていた。
「希美、あたしほんとダメだね。」
「だから、そんなのみんな知ってるって!」
笑いながら言う希美の言葉が少し胸に刺さった。
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