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「千冬ー今日委員会?」
「うん、先帰ってていいよ。」
あたしは図書委員をやってる。
まぁ、何もやらせてくれないけど(笑)
『そこで座ってて何もしないで!』
って先生に言われたのが、初めての委員会のときだ。
本棚から本を全部ぶちまけてしまった。
~図書室~
「失礼します…。」
「あ、そこ座っててって先生が。」
「はーい‥。」
正直、来る意味ないと思うんだけどな…。
結局みんなが作業してる間そのまま1時間。
あたしは何もしずに委員会を終えた。
土間で靴を履く。
すると、人の気配がした。
「比良くん‥!?」
「…話しある。」
少し怒ったようなその顔。
あたしの返事も待たずに手を引っ張りながら裏庭に連れ込まれた。
「な、なんですか…?」
どうしよう、怒ってる?
怖いよ、誰か助けて…。
「…どうして、顔見てくれないの?」
「え?」
予想と違い、弱く優しい声がした。
「俺なんかしちゃった?だったら謝るから、許してくれない‥?」
「…比良くん。」
そんな風に考えてくれたんだ。
あたし、ちゃんと向き合わなきゃいけないな…。
「比良くん聞いてくれる?」
「うん。」
真剣な瞳の比良くんを信じてあたしは話し始めた。
「男子が‥苦手。」
「うん、だから比良くんのことも避けてた。ごめんね。」
「…今、俺の目見た!」
嬉しそうに笑った比良くんにつられて、あたしも思わず笑った。
「やっべ…。」
「ん?」
「いや、なんでもない!これからはさ、友だちだからな?」
比良くんのその一言であたしは心からの幸せを感じた。
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