豹変

2/7
180人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
玄関先で凛香が靴を履いていた。 「今日も迎えはいつも通りでいいのかな?」 後ろから凛とした男性の声が聞こえた。父の光だ。 「はい、大丈夫です。」 「それじゃあ、気をつけて。」 「はい、行ってきます。」 ガチャン 外は吹雪だった。凛香はマフラーを口元まで覆い、前が見えない歩道を歩いた。凛香はいつもバス通学だ。帰りは父の光が車で迎えに来てくれる。 暫くして、車の音が聞こえてきた。 「ハァ~、やっときたかぁ~」 椅子から立ちあがり道路を見てみると、そこにはバスではなく光のワゴン車が止まっていた。 「あれ?今日仕事休みなのかな?」 父親という事もあり凛香はあまり疑わなかった。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!