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玄関先で凛香が靴を履いていた。
「今日も迎えはいつも通りでいいのかな?」
後ろから凛とした男性の声が聞こえた。父の光だ。
「はい、大丈夫です。」
「それじゃあ、気をつけて。」
「はい、行ってきます。」
ガチャン
外は吹雪だった。凛香はマフラーを口元まで覆い、前が見えない歩道を歩いた。凛香はいつもバス通学だ。帰りは父の光が車で迎えに来てくれる。
暫くして、車の音が聞こえてきた。
「ハァ~、やっときたかぁ~」
椅子から立ちあがり道路を見てみると、そこにはバスではなく光のワゴン車が止まっていた。
「あれ?今日仕事休みなのかな?」
父親という事もあり凛香はあまり疑わなかった。
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