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此処は何処だろうか。 確か自分は屋敷を夜中に放り出されたのだ。そしてふらふらと歩き、気付いたら此処だった。 屋敷の近く──七つの子供が歩いて行けるような所──にこんな湖は無い。 と、ここまで考えふと青くなる。 一つだけあった。 何があるのか当主しか知らない場所。 立ち入りを禁じられ、何重もの神威結界で囲われた山。 (禁域──!!) 『正解』 思いがけず近くから声がした。 ぎょっと顔を上げると、数メートル離れた所にソレが立っている。 いつの間に近付いたのだろうか? 『悪いがこっちへ来てくれないか?我はこれ以上行けないのでな』 怖かったが意を決し、歩み寄る。 どうせ自分は必要無い物だ。 此処で死んだって文句はでない。
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