~桜 美凜~

3/11
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
眉目秀麗、才色兼備、オマケに料理はなんだって作れる。 唯一の弱点と言えば方向音痴くらいだが、それも男からしたらドジッ娘属性とかいうやつで輝いて見えるんだろう。 姉はあれだ、いわゆる学園のアイドル、というやつだ。 中学の時も、放課後になると教室に姉を迎えに行ったら廊下に何人かの男子が姉を見物にきてたし、 去年、一足早く高校に行った姉は、 毎度の如くお菓子やら手紙やら荷物を増やして帰ってきてた。 そのお菓子を処理するのはあたしの役目だったわけで、こちらとしても、少しは美味しい思いもしたわけだが。 「美凜も高校生かぁ、そろそろ彼氏の一人くらい出来るといいねー?」 「…出来るわけないぢゃん…」 お姉ちゃんのせい、とは言わないけど、 ちんちくりんなあたしはいつも姉と比較されてきたわけで。 男の子の目はいつも隣の姉に行くわけで。 …あたしに寄ってくる物好きは、今のところ現れる気配すらないわけで。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!