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俺とフィリップは、只今砂漠のど真ん中を旅している。
いや、この途方もなく続く灼熱した砂の上に『うずくまっている』と言った方が正しい気がする。
強がりなフィルは意地でも前に進む気でいるが、太陽の位置を考えるなら、僅かな日陰を探すほうが得策だって言うのに...。
「んぅ、フィルの、わからずやぁ...」
「だ、れ、が、だ?」
「ん...誰って、そりゃ、君のk「一回しっかり、起きてみろ。もう一度、永遠的に眠らせてやる。」
眠気なまこでショボついた目を擦り、起き上がろうとしたところに、またもやフィリップの鉄拳が飛んでこようとしている。
「っうわぁ!!待って、殴らないで!!...って、あれ?ここどこ?」
俺が目を覚ましたら、そこはどこかの建物の中。
白い壁に小さな絵が飾ってあり、それ以外にはベッドしかない殺風景な一室だった。
「ここは、スーザンの隠れ家だそうだ。」
「へぇーそうなんだ、スーザンの...。」
「そう。スーザンの...。」
「「.....スーザンって誰?」」
目線を合わせて、なんともマぬけな質問をかわす俺たち。
二人してすっとんきょうな声をあげたのだった。
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