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「やってらんねえーー!!」
叫びながら新田は今し方抜いたばかりの雑草を地面に叩きつけた。
「うるせえ、騒ぐな」
その横で額に浮かんだ汗を左手の甲で拭いながら、右手で雑草を引き抜く健太。
新田達からの逃走は上手くいったものの、昼休み終了後すぐに職員室に呼び出され、大立ち回りを咎められた健太達。
関係者は全員何らかの罰が与えられ、健太と新田は放課後、花壇の草むしりという炎天下では地獄の様な作業を命じられていた。
「誰のっ! せいだとっ! 思ってんっ! だ!!」
不満を言いながらも、次々と雑草を抜いては投げ抜いては投げを繰り返す新田。
「お前が原因だろうが!」
健太も負けじと雑草を引き抜く。
二人で何かをやる時は常に競争。
‘敗者がジュースを奢る’それがいつの間にか出来ていた暗黙の了解。
「……で? 実際どうなんだ?」
「何がだよ?」
手を止め、ちらりと健太に視線を向ける新田。
健太も手を止め、二、三度腰を叩きながら視線を合わせる。
「とぼけんなよ、彼女出来たんだろ?」
「またその話かよ……」
「当然だろ? おら、白状しやがれ!」
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