第2話 八神健太の長い1日

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「んー……出来た様な出来てない様な……」 「何だそりゃ?」  怪訝な表情で草むしりを再開する新田。 「別に秘密にする必要ねえだろ?」  口を尖らせどこか拗ねた様な口調の新田に、健太は困った様に言う。 「別に秘密ってわけじゃねえんだけどさ、信じてくれねえと思ってな……」 「おいおい、俺達心の友と書いて心友だぜ? 信じるって」  歯の浮く様な台詞を平然と吐く新田。 何故か聞いてる健太が恥ずかしくなっていた。 「わかったよ。実はな……幽霊なんだ」 「よし、病院行こう」  まさに即答。 いったいさっきの台詞は何だったのやら。 「俺はてっきり『二次元なんだ』って言うと思ってたよ」 「お前と一緒にすんな!」 「だってよー、さすがに幽霊はないぃぃぃぃっ!?」  新田は目を疑った。 草が浮いているのだ。 誰の手も借りず、ふわふわと。 「どうだ? 信じるか?」 「何が起こってんだ!? 超能力!? 超能力なのか!? って何か急に両肩が重くなったんですけど!?」 「だろうな、一人お前におぶさってるから」 「マジでか!?」 「マジ。草持ってくれてるのが早苗。おぶさってるのが花子。有名なトイレの花子さんだ」
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