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初の心霊体験に興奮しているのか、新田の鼻息が荒くなってきている。
「花子さん!? 花子さんって事は女か!? 女だな!? ああ、霊感がない自分が憎い! 霊感さえあれば背中の感触を楽しめたかもしれんのにいぃぃぃぃっ!!」
前言撤回、別の意味で興奮しているらしい。
「ああ!? 肩が軽くなった!! 健太! 何でだ!?」
「……花子がひきまくってお前から離れた」
「花子ぉぉぉぉ!! カムバァァァァァック!!」
部活動中の生徒達の視線が集まる事等お構いなしに叫ぶ新田。
健太は他人の振りを決め込み、黙々と草むしりを続けるのであった。
この直後新田の叫びを聞いた柔道部員が駆け付け、まるで浮気した恋人を問い質すような口論の勃発。
結末は柔道部員が泣きながら走り去って行ったのだが、「何かあったのか?」と聞いても遠い目をして「聞くな」と答えるだけの新田に首を傾げる健太。
そんなこんなで草むしりも無事終了し、帰宅の途につく健太達だった。
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