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「え? 何? 母さん知り合い?」
純粋な疑問だった、まるで知り合いと話す様な美月に投げかけた純粋な疑問。
しかし健太はすぐに悟った。「やべっ、俺地雷踏んだ」と。
「知り合いなんて生易しいもんじゃないよ。昔アタシが祓ったはずなんだけどね?」
美月は無意識かもしれないが、健太を掴む手に次第に力が込められていく。
「お母様!? 痛い痛い痛い!!」
「さっきも言ったじゃろ? おぬしの様な小娘にワシは祓えんとな」
ふふんっと嘲笑う花子。
この状況に茜は目を輝かせ、早苗はただひたすらオロオロするばかり。
「花子ぉぉぉぉ!! 母さん挑発しないで!!」
未だに笑顔を崩さない美月。
逆にそれが恐ろしい。
「もう一回祓ってやろうか?」
「お母様!? 息子、息子が先に逝きそう! まずそこに気付いて!!」
美月と花子が睨み合いを続ける中、不意にリビングの電話が鳴り始めた。
美月の手が緩み、これ幸いとばかりに美月の手から逃れた健太は、電話に向かって一直線に走り出した。
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