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「こら、止さぬか早苗」
花子が窘めるが、早苗は「でも……」と口を尖らせる。
「よいか早苗? 健太くらいの年頃の男子にはのう、色々あるんじゃ」
まるで聞き分けのない妹を諭す様な口調の花子。
そんな花子を見ながらついつい健太は余計な事を考えてしまった。
そう、それは女性にとって、ある意味タブーともいえる話題。
(花子って一体何歳なんだろ?)
年齢だ。
普通なら頭の中で考えた事は、口に出さなければ他人には伝わらない。
あくまでも、普通なら。
「……ふむ、早苗よ。確かおぬしはあの世で健太と一緒になりたいんじゃったな?」
「ふえ? そうですけど?」
それを聞いた花子は健太を一瞥したあと、ニィっと口角を釣り上げる。
「じゃったら、健太の事をもっと知りたいと思うのも当然じゃな。うむ、ワシが間違っておった」
目を閉じ腕組みをして、一人頷く花子。
嫌な予感しかしない健太。
ワケがわからないと言った表情で顔を見合わせる、早苗と茜。
健太はようやく思い出した。
自分の考えた事は、早苗と花子には筒抜けなのだと。
「健太のベッドの下を覗くがよい!!」
「すんませんっしたぁぁぁぁぁっ!!」
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