第3話 父、帰る

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「はいはい、いつまでもバカやってないで、夕飯にしようか」  美月が呆れながら二度手を叩くと、総一郎はあっさり健太を解放し、茜を抱きかかえ食卓に移動。 茜用の椅子に座らせると自分も隣の椅子に座り、その正面に美月が座る。 健太もやや遅れながらも美月の隣に腰を下ろす。 よほど不快だったのかその腕には鳥肌が立っていた。 「いやー、やっぱり家族揃っての食事は良いもんだねぇ」  美月から茶碗を受け取りながら総一郎が口許を綻ばせると 「余計なのも混じってるけどね……」  ジト目を花子に向ける美月。 「? 何の事だい?」  総一郎も美月と同じく花子の居る場所に視線を向けるが、美月が何を見ているのかわからず首を傾げる。  そう、この一家の中で唯一、総一郎だけが霊感が無いのだ。 「あのね、あのね! おにぃにおよめさんができたんだよ!!」  「ねー!」っと早苗に向かって笑みを浮かべる茜。 「なん……だと……?」  その横では総一郎が固まり、口を半開きにしたまま健太を見据えていた。
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