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「はいはい、いつまでもバカやってないで、夕飯にしようか」
美月が呆れながら二度手を叩くと、総一郎はあっさり健太を解放し、茜を抱きかかえ食卓に移動。
茜用の椅子に座らせると自分も隣の椅子に座り、その正面に美月が座る。
健太もやや遅れながらも美月の隣に腰を下ろす。
よほど不快だったのかその腕には鳥肌が立っていた。
「いやー、やっぱり家族揃っての食事は良いもんだねぇ」
美月から茶碗を受け取りながら総一郎が口許を綻ばせると
「余計なのも混じってるけどね……」
ジト目を花子に向ける美月。
「? 何の事だい?」
総一郎も美月と同じく花子の居る場所に視線を向けるが、美月が何を見ているのかわからず首を傾げる。
そう、この一家の中で唯一、総一郎だけが霊感が無いのだ。
「あのね、あのね! おにぃにおよめさんができたんだよ!!」
「ねー!」っと早苗に向かって笑みを浮かべる茜。
「なん……だと……?」
その横では総一郎が固まり、口を半開きにしたまま健太を見据えていた。
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