§52 The beast eats the beast as food

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しかし、ラウドは真っ直ぐな瞳を皆に向ける。 「いいんだよ。俺が行ったってウザイだけだろうし。そのうち帰ってくんだろ」 迷いの無い、澄んだ瞳。 だが、ルースにはばれていた。 こんな素っ気ない事を言っても、彼は人一倍フィリアの事を心配している。 本当に少しだけ何か精神的なものが繋がっているラウドとルース。 何となく、気持ちの揺れは分かるものなのだ。 ルースは何も言わず、ただくつくつと笑った。 そんな赤い猫は無視し、ラウドは息をつく。 「…なぁ、フィリアの事…」 ぽつりと吐き出された言葉。 すると、、 「分かってるっつーの」 ラウドの次の言葉を遮るかのように、アイルはそう大きな声を出した。 不意に彼の方を向けば、ニッと笑っている。 「誰も何も言わねぇよ。今まで通り。なーんにも変わんねぇから心配すんな。フィリア、グチグチ何か言われんの嫌いそうだしなー」 一瞬はたと目を丸くさせたラウド。 だが、直ぐに笑った。 「…あぁ、ありがとな」 飾り気の無い、純粋なその笑顔はまるで子供のよう。 ベルナ達も息をつきながらも微笑んだ。 .
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