§52 The beast eats the beast as food

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窓を開けば潮風が部屋へと吹き抜ける。 ラウドはそのまま窓際に寄りかかった。 すると、忙しく鳴り響いていたノックがふと止む。 声もしなくなった。 それを確認すると、ラウドは不意にテーブルに座るルースへと目で合図を送る。 それを見越していたのか、ルースはいきなり短い指をビシッと二本立て、ラウドに見せ付けた。 ラウドはしらーっとした眼差しを送りながら小さく数回頷き、手でルースをドアの方へとあしらう。 するとルースはやれやれといった表情で久しぶりに二本足で立ち上がり、のそのそとテーブルから飛び降りた。 二足歩行するルースを見て、ベルナとルヴィ、そしてリスタは無言のままギョッと目を見開く。 そんな彼らは余所に、ルースはドアの前まで来ると、突然ドアノブに向かって跳んだ。 器用にドアノブにしがみ付き、これまた器用にノブを回す。 完全に宙ぶらりんな状態のままのルース。 ドアはルースをぶら下げたままキイーっと静かに手前に開いた。 すると、そこには、、 「なッ…!」 「コイツ!やっぱり部屋にいやがった!」 見知らぬ男が四人ほど。 ラウドは鼻で笑う。 .
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