§52 The beast eats the beast as food

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暗い外。 二階というなかなかの高さな上、下は石畳の地面。 (…今度から一階に貸部屋がある宿に泊まるか) そんな悠長な事を考えながら、ラウドはため息をついた。 そして、素早く右手首のブレスレット──オールナメントルを剣へと変換させる。 「…どうでもいいけど、ここで魔法なんか使うんじゃねぇぞ?これで軍に見つかったら、アイツに何て言われるか分かんねぇんだからな」 男達に向けたのか、はたまた独り言なのかよく分からない事を呟きながら、ラウドは壁から背中を離した。 恐らく、アイツとはフィリアの事だろう。 男達も直ぐにアクセサリーを変換させ、武器を手に持った。 こんな狭い場所でこの人数。 おまけに、町中での攻撃魔法は固く禁じられている。 ラウドは小さく舌打ちをした。 ゆっくりゆっくりと部屋に侵入してくる男四人。 それに合わせてアイルやルース、ベルナ、リスタは部屋の奥に逃げ込む。 ルヴィだけはドアの陰に隠れたまま、壁に腕を組んで寄りかかっていた。 「ラウド=イグレン以外に男が二人、三人か?で、女が一人か。おい、あれがフィリア=エイジルーグか?」 .
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