§52 The beast eats the beast as food

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取り敢えず戦闘態勢をとっていたベルナに向かって、一人の男が仲間に問う。 自分の事だと知り、ベルナは不機嫌そうに眉をひそめた。 しかし、そんな事は気にせず男達は続ける。 「違うだろ。フィリア=エイジルーグは紅髪のもっと若い女だろ?あんな野蛮げな女な訳ねぇよ」 妙に"野蛮げな女"の部分がこだました。 瞬間──ブチッと、これまたキレのいい音が鳴り響く。 途端、ラウドとアイルは顔を引きつらせながらベルナを横目にした。 どうやら、その歯切れのいい音の出所はベルナの──堪忍袋。 ルースとリスタはあわあわと顔を青ざめる。 「…誰が…」 ベルナは小さく呟き、黒々しいオーラを滲みださせながら、近くにあった椅子を勢い良く掴む。 そして、、 「誰が野蛮だこの下衆野郎共ぉおお!!!!」 濃いブラウンの瞳が底光ったかと思うと、凄まじい腕力でそのまま椅子を男達に投げ飛ばした。 「いぃッ!?」 悲鳴をあげながらも椅子を受けた男は持っていた剣で凪ぎ払う。 見事に斬られた椅子はそのまま勢いを殺す事なく床に吹き飛んだ。 破片やら何やらが飛び散り、男達は一瞬怯む。 .
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