§47 It begins to walk

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港町・ベネスティア。 潮風が心地よい町。 空には数多の星が輝いていた。 「久しぶり。元気だった?」 人気の無い町の一角。 フィリアの前に立つ女性はニコリと笑った。 セルザ=カフィール。 ウェーブの掛かった長いブロンドに、特徴的な口元のホクロ。 フォース指令部本部の中で、また更に分かれた部隊の指揮官のうちの一人である。 そして、フィリアの元上司。 フィリアは目を見開いたまま、上司の登場に唖然としていた。 しかし、直ぐに我に返る。 「何考えているんですか!?」 そして、出てきた言葉はその怒声。 "久しぶり"でもない。 "元気だった?"でもない。 「貴女はこんな所に出て来ていい人じゃありません!貴女は狙われているかもしれないんですよ!?」 セルザは「あらー、怒ってるわねぇ」と、のほほんと笑ったまま彼女の怒声を受ける。 「ましてや部下の一人もつけないなんて…!私の周りは危険なのは知っておりますでしょう!?なのに何で私の所に来たんですか!?私が何の為に…!」 今夜は妙に感情的だ。 先ほど、宿で嗅いだ酒の匂いに酔ったのだろうか。 .
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