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あ…雪だ…
アクマとの戦いを終え、深い傷を負い。
傷の痛みにより立てなかった私は、側にあった木に寄り掛かると
肌に冷たい小さな何かに触れる。
何かと思い、反射的に上を見ると
灰色の雲から雪、というには透明過ぎる霰が空から舞落ちていた。
それは、多分、今年の初雪で、絵本の様に美しい場面ではなく
ただ、なにかに当たれば溶けて水になる霰は静かに…そっと地面を濡らす。
神様はどうしても
アイツの様に
思い出に残るような最期を
私にはさせたく無いらしい…
この霰は、あの真っ白な雪の代わりかな……
そんなことを思っていると瞼が重くなり、最初は逆らおうとしたけど…何だかどうでもよくなり、力を抜き、ゆっくりと閉じていく…
「〇〇!!」
…遠くで私の名前を呼ぶ声がしたけど…
もう、いいや…
…さよなら……
そこで
私の意識は
途絶えた----
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