一年

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その後も、特別なことは ホワイトデーに飴をもらったぐらいで、他には何もないまま 終業式を迎えた。 「じゃあまたね」 級友たちにあいさつして ウチは駐輪場に向かう クラス離れるのは寂しけど 会えなくなるって訳じゃない。だけど、浩と離れるのは …嫌かもしれない。 そんなことを思ってたら 駐輪場についた。 「この駐輪場も最後かあ。次からは二年のとこだしね」 名残惜しいけど自転車のカギを開け、またがる。 「おー、恵。またな」 「うわっ!いきなりだからびっくりしたじゃん!」 浩がいた。 …さみしいな。 離れるなんてさ…って 離れるとは限んないじゃん! 「ばいばい、次も同じクラスがいいなあー」 よし、いった! 「だな、恵は女子で一番話しやすいしなー」 「ウチも浩が今は一番かも」 「今はってなんだよー」 寂しそうに言うから、 つい、嬉しくなった。 「ゴメンゴメン、じゃーまたね」 「またなー」 …にゃあああああ!? 嬉しすぎるって! 何!?一番話しやすい!? うわっ!ヤバいって…! また…顔赤いって……。 「ばかー!」 誰もいない帰り道で ウチは一人さけんでた。
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