vol.1 <女の命>

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夜、ドライヤーで乾かした髪をとかそうと愛用のブラシに手を伸ばし絶句した。 おびただしい数の髪の毛がブラシに絡まっていたのである。 おそらく朝に寝ぼけながら髪をとかしたときに強く引っ張ってしまい、そのせいで抜けたんだろうなぁ~。 などと思いながらふと床に目を落とすと、そこにも尋常ではない数の髪の毛が無残に散らばっていたのだ。 き、キモイ…。 …髪の毛をかき集めながら思わず呟いた。 ていうかこんなに抜けて大丈夫なわけ?! 『髪の量が多いからハゲるってことは多分ないと思いますよ(笑)』 って言ってた美容師さんの言葉はウソだったの?! 私ってなんてかわいそうなんだろう… …そんなことを思いながらふけていった11月の夜。 私の髪の毛は湿気できちんと膨らむくらい、ふさふさです。 ぴっかりに少しわけてあげたいです。
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