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「ご、ご主人様~。」
そ、そんな捨てられた猫みたいな声で言ったって無駄なんだからね。
よし、他のお宝を探すとしよう。
「ご主人様、捨てようとしても無駄ですよ。」
「へ?」
「もう、契約は完了してますから。」
な、なんですと!
「それに、進んで魔剣を捨てるなんてバカなんですか?」
「いや、僕、刀剣類に欲情する趣味は持ち合わせていないから・・・」
「・・・やっぱりおバカさんでしたか。」
なんだよ、ナイフの分際で僕をバカにしやがって。
「でも、私を持ってると便利ですよ。」
「そうだね、一瞬で人前でナイフに話しかける変態になれるよね。」
「それは確かにシュールな光景ですね・・・」
おっ、意外と話し合うなこのナイフ。
生まれてこのかた話が合う人間がいなかった僕の初めて話が合った人。
その名はナイフ。
うん、僕精神科に通うことにするよ。
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