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コイツとの出会いも酷いもので、俺が会社帰りに歩いていたら、いきなり後ろから抱き着いてきたのが坂口だ
何でも街を散歩中、
たまたまおれの事が目に入ってきて「おぉ!」と思ったらしい
なんと迷惑だ!
朝食も食べ終わり、デザート感覚で蕎麦をすすっていると
「それで、今日はブラウンのために服をデザインしてきたんだ!」
ヤツはそう言って、デカイ箱を取り出す
俺は身長が3メートルある
だからいつも自分にあうサイズの服を探してはいるがなかなか見つからない
コイツは俺のためにデザイナーのコネで俺サイズの服を特注してくれているらしい
箱を開ければ、ダークグレーのスーツが入っていた
「すげぇ……」
思わずついつぶやいてしまった
すると坂口はさらに気をよくしてしまう
縦線の模様がはいったそのスーツはきっと俺の月給の三倍、四倍はするのだろう
一瞬頭がクラッとなる
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