臨也×静雄

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「あ…ぁっ」 「シズちゃん、可愛い」 静雄は媚薬のせいで、上半身だけで限界だった。 「ふ…ぁぁ」 声がだんだんと大きくなってくる。 静雄の意識が早くも飛びそうになったとき、突然臨也の手が止まった。 「ぃ…ざや?」 息を荒くしながら静雄が言う。 名前を呼ばれた臨也は、ニヤリと笑う。 「ね、シズちゃん。さっきさ、俺何のためにシズちゃん捕まえたって言ったっけ。」 「…は?知らねぇな、んなこと。」 静雄は本当は分かっていた。 「あれ?解ってるくせに。」 (なんだよ、解ってるなら聞くなクソが。) 「シズちゃん、そんなこと言っていいの?」 (読心!?) 「そんな悪い子にはお仕置きが必要だよね?」 なんだコイツ。まじで何なんだ。 臨也は静雄の目の前で10本の指をこちょこちょと動かす。 「……」 静雄は指を見ないように、見ないようにと顔を背ける。 まださっきの快感が残っていて、体が痺れる。 股がっている臨也を殴るにも動けない。 「抵抗しないんだ。じゃあ、行くよ。」 そろ―っと脇腹に指が触れる。 「ふ…」 人間は自分の危機的状況になれば、自然と体が動くようになる。 静雄の腕は、無意識のうちにパシッ、と、臨也の右手を払った。 「…まだそんな元気あるんだ?」 臨也は辺りを見回す。幸いなのかどうかは分からないが、さっきのファー付きの手錠が臨也の手の届く距離に落ちていた。 それを拾うと、静雄にかける。意外にも静雄の抵抗力は小さく、すんなりと作業は終わった。 ふと、静雄を見ると、 「ふ…」 何故に笑ってる!? 「し、シズちゃん?何がおかしいの?」
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