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-6月14日(水)-
山から吹く軽やかな風に包まれた田舎町。
その町の一端に、
こじんまりとした昔ながらの木造の一軒家が佇んでいる。
そう。
門倉京介、僕の家だ。
地元の中学校から帰宅した僕はいつも通りに、
そして、いつも通りの木製の玄関の扉に手をかけた。
ギギギッ!
という異音と共に扉が左右に開かれる。
今更何も言うつもりはない。
うちは昔から貧乏だし、
素敵なデザインにコーディネイトされた建物など、
別に僕は求めていないし。
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