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「……ただいま」
家の中に入った僕は、
抑揚のない声でとりあえずその言葉を発した。
……どうせ返ってくる言葉は決まっている。
『おかえり。ご飯は?』
分かりきってる答えにはもううんざりだ。
内心は、もっと家族との会話を欲している自分がいることも事実。
だけど、この中学生の僕が
大の大人である母親といったい何を話したらいいのか……。
正直分からない。
父さんは3年前に交通事故で他界してしまったため、
今は僕と母さんとばあちゃんの3人でこの家を切り盛りしている。
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