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早朝、列車は終点、函館駅に到着していた。
徹志は函館名物の朝市に顔を出し、海鮮丼を頬張りながら、乗り継ぐバスの時刻表を眺めていた。
「次の発車まで一時間半もあるのか…。」
徹志はそれまでの時間をどう潰そうか考えていた。
そこへ、玲奈が背後から近づいてきた。
「あのーぉ。もしかしてぇ、次バスに乗るんですかぁ?」
徹志は声のするほうに振り替えると、そこに玲奈が立っていた。
「おおー、玲奈ちゃん。よく俺が此処にいるとわかったね!」
「徹志さん目立つからすぐ分かりますよぉ!それ…バス待ってるんですか?」
玲奈は時刻表をチラリと見て、少し顔を赤らめながら、質問した。
「うん。そーだよ!発車まで時間あるからここで暇潰ししてんの。玲奈ちゃんは?」
徹志は、聞いた。
「あたしは、ここが地元だから。お散歩。そしたら徹志さんが見えたから声かけたの。
それでね、…もし、良かったらあたしの叔父さんがやってる観光会社がバス出してるんだけどぉ、乗りませんかぁ?
あたしが言えば、安くなりますしぃ、そのバスより出発時間早いですよ!」
徹志は、それを聞いて待つのも何だなと思い、二つ返事で了解した。
玲奈に着いていくと、駅とは反対方向の倉庫街に向かっていった。
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